気持ちを伝える
先日お酒の席で、どういう話の流れだったか忘れましたが、Yさんというご年配の男性にこんなことを言われました。
女性には、好きと言った方がいい。
相手が喜ぶことは言った方がいい。
普段、Y さんは「言葉では伝わらない」とおっしゃっています。
「愛しています」と言っても、どうして好きなのか、どれぐらい好きなのか説明できない、と。
話が矛盾しているのではないかと思いました。
「女性は勘が鋭いので、言わなくてもいいんじゃないですか?」
恋愛でほぼ全敗してきた私は、告白に意義を感じられません。
女性は、言葉で言われると喜ぶ。
Yさんは、さらりと、こうおっしゃいました。
「男は、黙っていても通じると考えるのがダメ」
…なるほど。
「言葉では伝わらないけど、言葉は大事ということですね」
「その通り」
その時、ふと松下宗厚先生を思い出しました。
学生時代に入門した、茶道の師匠です。
生前、松下先生はこんなことをよくおっしゃっていました。
感謝の気持ちは、言葉だけでは伝わらない。
物という、形にしないと。
松下先生の言う「物」とは、お中元お歳暮やお金だけでなく、
手紙も含まれていたと思います。
手紙は、言葉を文字という目に見えるものにしたことで、
強く伝わるものがあるのでしょう。
言葉が大事。物が大事。
いずれにせよ、気持ちは相手に伝えることが大事なんですね。
好きと思われたり感謝されることは、人間、嬉しいことですから。