茶会が楽しくなった理由

今週、百貨店の添え釜に行きます。
師匠のお茶席の水屋に入り、勉強をさせていただきます。
お点前もさせていただく予定です。
とても楽しみにしています。

昔は、茶会があると、楽しいは楽しいのですが、苦痛もかなり伴いました。
まず、着物を着るのが苦手で、それだけで、ものすごいストレスでした。
母に手伝ってもらい、深夜から着物に着替え始めました。
袴をつけるのが特にダメで、茶会の何日も前から憂鬱になったものです。
自分で袴をつけられないとは、ほぼイコール、トイレは我慢しろということだからです。

それから、お点前の時には、緊張のあまり、頭が真っ白になりました。
そうなると、とんでもないミスをしたりします。
例えば、着物の袖が建水に入り、気がつけば袖がびっしょり濡れていた、ということもありました。

ところが、ある時から、それらの苦痛がすっかり消えていました。

着物は一人で楽々着られるし、茶会で緊張しません。
以前の苦労が嘘のようです。

どうしたかと言うと、その方法は至極簡単です。
「考えるのをやめました」

考えるから、悩むし不安になるし、緊張もするのです。
頭を空っぽにして、無理はしないで、心も体もリラックスするようにしました。

そうしたら、着物を着るコツが、頭の中に、すうっと入ってきました。
袴が、自分のサイズに合っていないことも気づきました。

お点前も、考えなくても、自然に手が動きます。
茶道のお点前というのは合理的につくられているので、流れに身を任せば、ちゃんとお茶を点てられるのです。
緊張していないので、もし問題が起きれば、冷静に対応できます。
お茶席全体の状況を把握できるようになりました。

緊張すると実力が発揮できないというのは、茶道に限った話ではありません。
全てのことに当てはまるのではないでしょうか。
脳ミソを使わないとバカになる、と言われたこともありますが、
考えたから正しい判断が出来るというものでもありません。
今では、勘に頼って行動した方がうまく行くように感じています。

それには前提として、自信がないとダメです。
自分がやるのだから何とかなるだろう、と自信過剰なぐらいに。
自信が余裕となり、緊張しないから、うまく行くのです。

もし人生で壁にぶつかったら、考えるのをやめてみたら、如何でしょう?
壁なんて、自分が作り出した妄想かも知れません。

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