お客にも作法がある
茶道にはおもてなしの心があると、よく言われます。
でも、サービス業とか接客をやっていたら、当たり前のことと思いませんか?
茶道の本当に良い所は、もてなされる側、つまり客にも作法があることだと思います。
客の作法で、一番大事なのは会話です。
亭主との挨拶、客同士の挨拶、亭主にお道具をお尋ねをする等。
挨拶にはタイミングがあります。
その他の会話でも、スムーズなやりとりが大切です。
茶席では、決められたタイミングで、挨拶やお尋ねがあります。
つまり、茶席中の会話には「型」があるのです。
この「型」を毎回繰り返し稽古しておりますと、
阿吽の呼吸で会話ができるようになってきます。
そして、相手の考えを察して、気分を良くするような言葉が自然に出てくるようになります。
自分がおもてなしをする立場でなくても、目の前にいる人を常に気分良くさせる。
人とのかかわりで、一番大切なことだと思います。
そのために、いつも心がけることを整理しました。
・相手の気持ちを察する。
・相手の立場になって考える。
・自分が嫌なことは相手にしない(言わない)。
・礼儀正しくする。
以上は、人として当然のことですが、意外とできていない人は多いと思います。
例えば、買い物の時に「こっちは客なんだから」と思って、つい横柄な態度にとってしまうことはありませんか?
悪いことはしていなくても、感じの悪い人になって、損をしていますよ。
茶道をやっていると、会話の「型」が身につき、人間関係が良くなります。
そして、運が良くなります。
みんなが茶道をやってくれたら、もっと世の中が良くなると思います。