開門落葉多
この軸は、「開門落葉多」(もんをひらけばらくようおおし/かいもんらくようおおし) 。
表千家の久田家12代尋牛斎宗匠の筆です。
『大燈国師語録』に出てくる禅語です。
元は唐の無可上人の詩の一節で、
「聽雨寒更盡」(あめをきいてかんこうつき)の対句です。
雨音を聞いているうちに夜が明けた。
門を開けてみると一面に枯葉が落ちていた。
雨音と思ったのは枯葉が軒先をたたく音だった。
…という閑居の風情を詠んだ句です。
秋の朝の光景が目に浮かんできますよね。
門を開くというのは、気づきの瞬間を表していると思います。
てっきり雨音だとばかり思いこんでいた音が、実は落ち葉の音だったことが分かる。
人生には、何か常識や価値観が一瞬で変わってしまうような、すごい時がありますよね。