七夕茶会

COCON GINZAの第10回古今塾で、「七夕茶会」のお茶席を持たせていただきました。
ご参加いただいたお客様、COCON GINZA女将 稲村さんをはじめスタッフの皆さま、誠にありがとうございました。

当初、悪天候が予想されていて、ドレスコードの「夏着物」でお集まりいただくことに大変申し訳なく思っておりました。
ところが、当日は雨が降らず、天気も茶会に味方してくれました。

今回のテーマは文字通り「七夕」でした。
お茶席には、その時々の自然が表れています。
季節のお道具を使うからです。
七夕らしく、また夏らしい趣向にいたしました。

掛軸は、前大徳 柳生芳徳寺の紹当筆「滝」。
流水の涼しげな光景を想像していただきたく、COCON GINZAのお軸を掛けました。

花入は籠で、花は桔梗(キキョウ)、半夏生(ハンゲショウ)、砥草(トクサ)、笹。
桔梗は星を連想させるので、七夕に相応しい花です。
半夏生は、化粧を半分したような白い葉が緑に映え、夏の清々しさも感じていただけました。

薄茶席の主茶碗は、硝子の平茶碗で、銘は「笹」。
見た目の清涼感だけでなく、平茶碗は面積が広く湯が冷めやすいので、夏の暑い時期、お茶が飲みやすいというメリットがあります。
さらに、お点前で茶巾絞りをして、水の滴る音で、涼しさを感じていただきました。

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茶器は、吉田華正作 松桜蒔絵という、硝子に漆塗りをしたもの。
中に入っているお抹茶が景色として楽しめる茶器です。
因みに、桜の季節は春ですが、国花なので一年中使えます。

茶杓は竹で、堀内宗完作、銘は「白珪」。
節が7つあり、7月7日のこの日に相応しいお道具です。
師匠の永沼千舟先生からお借りしました。

主菓子は、浮草と夏菊との二種。
お時候のお菓子です。

そして、やはり一番のごちそうは、皆さまのお着物だったと思います。
夏着物で一堂に会し、華やかで楽しい雰囲気になりました。

ある男性のお客が、黄八丈を着て来られたのが印象に残りました。
とても粋に感じました。
ご本人は、柄や色が茶会に相応しくないとお考えのようでしたが、
七夕を楽しむという趣旨の席なので、良かったと思います。

粋とはバランスです。
上品の中に下品さがあったり、地味な中に派手な所があったり。
それが何割と決められるものではないので、センスが問われます。
着物でそんな楽しみ方ができるのも、COCON GINZAの茶会の良いところでしょう。

お茶席は立礼でした。
正座ではなく椅子に腰掛けて、リラックスしてお茶を召し上がっていただけました。

濃茶と薄茶を一服ずつ差し上げました。
普通、立礼で濃茶はしません。
それをあえてやったので、テーブルをご用意いたしました。
お茶碗と出しふくさを置いたり、懐紙で飲み口を拭くためです。
テーブルがあっても、お客様の邪魔にならなかったと思います。
七夕茶会は1席2時間(1日2回)だったので、手や物を預ける場所があるのは、良いと思いました。

今回、私の茶会の中で一番良かったというご感想をいただきました。
水屋に入ってくれた二人の女性のおかげです。
この場でお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

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